導入事例 株式会社デンソーエアシステムズ様

製作スケジューリングのシステム化で
リードタイムの大幅短縮、生産性の向上を実現

デンソーグループの空調機器メーカーとして知られるGACの工機製作部門では、
個別受注生産に対応した生産スケジューラ/工程管理ソフトウェア「DIRECTOR6(ダイレクターシックス)」
を導入して、治具や設備部品等の製作スケジューリング、進捗管理、納期管理をシステム化。
作業間のスピーディーな連携による製作リードタイムの大幅な短縮や、PDA端末を利用した
リアルタイムな作業負荷の把握と平準化=負荷の"見える化"による生産性の向上などに大きな効果を上げている。

株式会社デンソーエアシステムズ様は、2009年7月にデンソーエアーズ株式会社とGAC株式会社のホース事業が統合し設立されました。当ページの事例は当時のものですが、現在もDIRECTOR6をご利用いただいております。

  • 尾日向 孝雄 氏

    GAC
    工機部 部長

    尾日向 孝雄 氏

  • 植木 和利 氏

    GAC
    工機部 工機製作室・室長

    植木 和利 氏

  • 山後 久枝 氏

    GAC
    工機部 工機製作室

    山後 久枝 氏

TQMサークル主導で作業効率の向上、加工納期の短縮などの改善に取り組む

GACでは、以前からTQM(Total Quality Management:総合的品質管理)活動をグループ全体で推進している。治具・工具など生産設備部品を加工・製作する工機製作部門においても、TQMサークルが中心となって業務の改善を継続的に進めてきた。加工納期の短縮や生産性向上はこのTQMサークルの大きなテーマになっている。

治具等の製作については、その性質上、多品種少量、個別受注生産になる。一から製作が必要なもの、改造するだけのもの、あるいは数分でできるもの、何日もかかるものなど、多種多様であり、それぞれの納期もまちまちだ。製作点数は生産現場からの依頼書レベルで毎月400点余に上り、10名ほどの熟練技能者が加工・製作に当たっている。同社工機部の尾日向孝雄部長は、「製作依頼は次々に舞い込み、優先して製作すべきものもその都度変わります。そうした中で効率良く作業を進めるためには、工程の進捗や負荷の状況を見ながら、次に何をすべきかを作業者に的確に示すことが重要になります」と語る。

同部門では、従来、手順書にある工程、工数などに従って各作業担当者がそれぞれの判断で作業を進め、工程の完了時に実績をまとめて入力していた。このため工程間で作業ロスタイムが発生することも間々あり、ほかの工程や進捗状況についての問い合わせも多かった。作業進捗や負荷の管理は、入力された実績に基づいて翌朝一回だけ更新されていたので、問い合わせの都度、担当者が確認に追われることになった。また、短納期の特急製作品が入ってきた場合には、担当者が作業現場を回ってスケジュールの修正や指示をする必要があった。TQMサークルでは、ロスを最小化してリードタイムの短縮、生産性の向上を図るため、2006年末ごろからスケジューリングシステム導入の検討を開始した。

個別受注生産に対応するスケジューラは「DIRECTOR6」だけだった

工機製作部門ではTQMサークルメンバーが中心になり、ベンダー各社の生産スケジューリング/工程管理ソフトウェアの情報収集や比較検討を行った。その結果、シムトップス社の「DIRECTOR6」の採用を決めた。その理由について、工機部工機製作室の二木良雄室長は、「治具などのように製作するものが1つ1つ異なる個別受注生産に対応したソフトウェアはこのDIRECTORしかありませんでした」と説明している。

特に、特急製作品が入った際、負荷状況を考慮しつつ自動的にスケジュールを組み直すリスケジューリング機能は他社製品にはなかった。DIRECTOR6では作業担当者の負荷状況を自動判別し、負荷を分散しながらリスケジューリングする機能を備えている。「作業工程間のロスタイムが発生したり、ほかの作業者から進捗の問い合わせなどが頻発したりする理由の1つには、作業負荷の偏りがあります。その解決には、作業負荷の"見える化"は不可欠でしたが、DIRECTOR6ならそれを容易に実現できると判断しました」(二木室長)。

さらに、入力された実績に基づいて作業指示を出す。そうしたフィードバック機能も他社製品の場合には別に開発する必要があるが、DIRECTOR6には標準機能としてある。それも選択の理由の1つだったという。

PDA端末へ自動的に作業スケジュールが配信される
作業の生産性・負荷状況が直観的にわかる画面

生産性の20%強向上、リードタイムの10%短縮など短期間で効果

同社工機製作部門のスケジューリングシステムは2008年初から本格的にスタートしている。新システムでは、作業担当者一人一人にPDA端末が配付され、自動的に作業スケジュールが配信される。各作業担当者はそれに沿って作業を行い、1つの作業が完了するごとにその場で実績をPDA端末からワンタッチ入力する仕組みだ。従来日次(にちじ)で行われていた負荷管理や納期管理はリアルタイムで自動的に更新される。全体の作業進捗や負荷の状況は作業現場に設置されているディスプレイ上でリアルタイムに確認できる。さらに短納期の特急製作品が入った場合でも、ほかの納期や負荷状況などに基づいて自動的にリスケジューリングが行われる。工機部工機製作室の山後久枝氏は、「随時、自動的に適切なスケジュールに組み替えられるので、スケジューリングの作業負荷は大幅に低減しました」と語る。

新システムの運用開始からまだ数ヶ月だが、生産性の向上は目標値(9%)を大幅に上回る20%強を達成、製作リードタイムは10%ほど短縮するなど、すでに大きな効果を得ている。同部門では、自動スケジューリングで工程間のロスを最小化できたこと、負荷の平準化が可能になったこと、またPDA端末の利用で作業担当者が無駄なくスムーズに作業を進められることなどが、こうした効果に結びついたとしている。

同社では、今後、このシステムの展開を検討しているという。尾日向部長は、「新システムの効果が実証されたので、工機製作の上流工程である設計部門やグループ会社の同様の部門などにも展開していきたい」と語っている。

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個別受注・多品種少量生産特化した
生産スケジューラ工程管理システム
DIRECTOR6(ダイレクターシックス)

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