導入事例 株式会社IPM様

実績データを活用して、設計情報も、工程計画も、
作成スピードがアップ!
そして、明解なタイムライン上での工程管理が、
現場に“納期意識”も生んだ。

樹脂成型用の精密金型とホットランナーシステムの、設計・製造・販売をされている「総合プラスチック成形金型メーカー」であるIPM。幅広い分野のメーカーから高度なニーズが寄せられる中、独自の技術・スピード・柔軟性を強みに、大手金型メーカーが敬遠するような依頼や、工程や納期の短縮といった要望にも、柔軟に対応してこられました。そんな、“お客様のためのモノづくり” で成長を続けてきた同社が、将来を見据えて求めたのは「確かで使いやすいスケジューラ」をもつ工程管理システムでした。

  • 製造部 部長 北川憲樹氏

    製造部 部長

    北川 憲樹 氏

  • 製造部 NC 田邉靖啓氏

    製造部 NC

    田邉 靖啓 氏

  • 製造部 設計リーダー 今井篤志氏

    製造部 設計リーダー

    今井 篤志 氏

背景・お悩み 工程がタイムラインで管理できない以前のシステム。
サポートやインターフェイスにも不満が。

北川氏:製品によって異なりますが、1つの金型に20~30種類ほどの部品が使われ、部品ごとに5~8工程ほどを要します。上流の設計フェーズも含めた製作期間はおよそ1~2.5ヶ月で、その工程管理に以前は他社製のソフトウェアを使用していました。しかし、ユーザー数が少ないことから絶版が決まり、既存品のサポートも終了になるとのことで、新たな工程管理システムを導入することにしたわけです。

以前のシステムには不満もありました。まず、工程を日付登録できず、タイムラインに載せた運用ができませんでした。つまり、期日管理ができず、製作の進行は現場スタッフまかせの状態に。また、設計に関する情報入力に時間がかかったり、サポートがあまり手厚くなかったり、サーバーのコストも高め。さらには、知りたい情報の表示位置や、入力箇所が分かりづらいインターフェイスでした。

導入の流れ 使いやすさや、独自の管理方法に対応できる点を評価。
従来の業務の中に、無理なく導入するサポートも。

北川氏:そこで、いくつかの工程管理システムを検討することになり、操作性や価格、サポート面などを比較。他社製品では項目を人の手で並べ変える必要があったり、グループ管理もあまりできなかった一方で、DIRECTOR6は特にスケジューラの使いやすさで優れていると感じました。また、出図管理ができることが重要です。設計部門で作成した図面を社内承認にかける際、紙で回覧するのは時間も含めてムダが多いため、デジタル上で承認を取りたいと考えていました。デジタルなら製作フェーズでも、現場の誰もがいつでも簡単に情報へアクセスできます。これらをデモで確認し、DIRECTOR6の採用を決定。導入にあたっては、細かな要望に対しても柔軟に対応いただきました。例えば、製造業界では各社が独自の工番を使っていることが多く、弊社でも製品や部品を6桁の数字に枝番も加えて管理しています。これに対応していただけたのは助かりました。

今井氏:設計部門でも要望を聞いていただきました。まず、弊社ではオーダーの管理方法が少し特殊で、図面だけでなく部品表や組図などの情報も管理しています。DIRECTOR6はオーダー/部品/工程とでかなり細分化した登録・管理ができるとのことで、そこはカスタマイズの必要性はなく、つまり追加コストをかけることなく対応してもらえました。そして、設計完了後には図面を製作部門へ渡す必要がなく、DIRECTOR6に登録すれば、それを見て現場では製作がスタートします。

北川氏:このような流れは弊社における従来の運営に近く、DIRECTOR6なら現場スタッフも混乱せずに、比較的スムーズな導入と運用スタートができるだろうと判断しました。シムトップスには何度もサポートに来ていただき、問題なく稼働させることができました。

導入効果 実績データを活用し、作業効率や計画精度をアップ
タイムラインによる管理で、納期への意識も高まる。

北川氏:本格稼働させて3年になります。まずは「誰が、どの機械を使い、どれぐらいの時間をかけて、何の工程を作業したのか」が一元管理され、営業も含め誰でもすぐに進捗を確認できるようになりました。また、工数も最適化されました。そして今、蓄積した実績データを上手く活用し始めています。

今井氏:設計情報を管理システムに登録する際、以前はシステム上で案件ごとに計画をゼロから作成していました。しかし、DIRECTOR6なら過去に似たものを製作したときの計画をコピーして利用できるため、登録時間が以前の半分ほどになりました。いくつかの雛形も用意してあり、同じような部品を100個くらい製作するときは本当に便利です。

北川氏:導入後、同じ金型のリピート注文が多くあり、過去の計画を利用しただけでなく、前回の状況を振り返って作業を検証し、納期短縮やコスト削減なども図れました。そしてコロナ禍の混乱もある中で、DIRECTOR6による工程管理は品質維持にもつながったと考えています。

田邉氏:設計情報の登録を受け、製作部門では各工程の担当者や日程などを決めており、私が個々の工程にどれくらいの作業時間が必要か、まずは経験からおおよそ割り出しています。このとき、過去に同じような部品の製作実績があれば、その時間を参考にすることができ、DIRECTOR6に残っているデータはとても役立ちます。また、実際の進捗状況が細かく見えるようになり、リアルタイムな修正もしています。何かの作業が予定より早く終わった際、別の作業を優先させたり、作業の順番を入れ替えたり、機械の空き時間を減らしたり、項目の新たな紐づけをしたり。そんな柔軟な調整・変更により、最適な工数で部品加工できるようになりました。

北川氏:そして、工程をタイムラインで管理できるようになったことで、各スタッフが自分の作業をいつまでに終わらせればいいか、明確に意識できるようになりました。

田邉氏:製作スタッフはDIRECTOR6の作業指示の画面を見て、いま自分が何をしなければいけないか把握していますし、前の部署の作業が終わっていなければ後の部署が確認するようにもなりました。そういった主体的な動きが現場に生まれ、各作業スタッフが以前よりも納期を順守する意識で業務に取り組むようになりました。

北川氏:手つかずの作業があり、最終的な納期を前に必要な部品ができておらず、慌てて作業するようなこともなくなりました。営業的にも、顧客に対して正確な納期をお伝えできるようになり、ひいては受注の機会損失を防ぐことにつながっていると考えています。

今井氏:私は品質管理にも携わっていて、製品の最終検査に関わっています。後の工程ですので途中の製作工程で予定変更が生じれば影響を受けるため、以前はどのような部品が流れてくるのか、その日にならなければ分かりませんでした。DIRECTOR6を導入してからは、検査予定を週単位で事前把握できるようになりました。

総評・展望 コスト計算や、受注・納期の判断でも、導入効果を。
分かりやすく正確な情報共有が、営業にも主体性を生むはず。

北川氏:次のステップとして、工数の原価管理に取り組んでいるところです。原価管理でも過去の実績を拾い上げ反映させる形で、実際にかかった作業時間の集計に照らした、より精度の高いコスト計算が可能になります。経理業務における作業負荷の軽減にもつながると思います。

そして、スケジューラによる管理の精度をさらに上げ、営業にも情報共有できればと考えています。これにより、営業は顧客に対してより的確なご案内ができるようになるでしょう。今までは業務量を感覚的に判断し、受注の可否や納期の判断をしてきましたが、DIRECTOR6のスケジューラによって具体的かつ合理的な検討・判断ができるはずです。そうすれば、むしろ急な受注にも対応しやすくなる。もっと理想を言えば、それを誰もがDIRECTOR6を見て主体的に判断できれば、営業が現場へ相談なしに受注し、納期を決めてくれても問題ない。そんな将来も期待しているところです。

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